社外CFOの活用事例(7)赤字への対応

7. 赤字を出してしまった!

赤字となったとき、経営者の頭をよぎること

「今期は赤字になりました。」 経理担当者から、このように言われると、多くの経営者は、次のようなことが、頭をよぎります。

  • なぜ、いつから赤字になったのか?
  • 銀行や投資家に、何と説明すればいいのだろうか?
  • 何とか、黒字に見せられないものか?(中小企業では、粉飾決算をしてしまう経営者がほとんどです)
  • 来期は、黒字にできるだろうか?
  • 資金繰りは大丈夫だろうか?
  • この先、会社は大丈夫だろうか?

赤字になってしまったときの苦しみというのは、従業員には、なかなか分からないものです。
そもそも、社員に決算の内容を伝えていない経営者の方も、多いのではないでしょうか。
ですから、赤字という経営危機を、経営者が率先して(多くは孤軍奮闘で)解決していかねばなりません。
こういうときこそが、私たちが社外CFOとして、大きく貢献できるときです。


まず最初に手をつけなければならないのは?

赤字の会社で、まず社長がやるべきこと、そして社外CFOがやることは、

「このままの状態が続いて、いつまで会社は持つのか?」を見極めることです。

 

ごく簡単にいえば、いま5,000万円のお金があって、1,000万円ずつ赤字を出していくなら、5か月しか会社は持たない、ということです。

そこからさらに、銀行はお金を貸してくれるか、株式など換金できるものはないか、取引先に支払期限の延期をお願いしなければならに場合もあります。
誤解されている経営者の方も多いのですが、赤字を出したら銀行は一切貸さない、ということはありません。だからといって、何の説明もなく、赤字の決算書を提出してしまうのも、ダメです。
そこの見極めるのが、プロである社外CFOの役割でもあります。

 

次に、何が原因で、どのくらいの損をしているのかを確かめる

ことです。

特に、中小企業の経営者は資金繰りに追われて、状況を冷静に分析できていないことがあります。実は赤字ではないのに、お金が減っていく様子を見て、パニックになったり、思考停止してしまっている人もいます。
ですから、社外CFOが、客観的かつ冷静に、状況を分析するべきなのです。

 

このように、問題の原因が分かり、期限も分かれば、あとは、間に合うように問題を解決していくだけ、ということになります。

 

コスト削減はもちろん必要。ただし万能薬ではない。

では、どのようにして、赤字の原因を解決していけば、いいのでしょうか。
「支出よりも収入を多くすればいい。」と、簡単に言ってしまう人が多くいます。
もちろん、そのとおりです。
しかし、会社が大きくなるほど、このとおりに、簡単に解決できなくなってきます。

それは、「この経費を減らすと、売上も減ってしまう」ということが、起きるからです。
正しい経費削減をしないと、「経費を減らしたら、余計に赤字が増えた」という事態もあり得るのです。


では、どうすればいいのか? ここが、社外CFOの、腕の見せ所です。これまで、多くの赤字企業の経営者とお会いしてきましたが、私が関与することで、90%の会社は、黒字化に成功しています。
その秘密は、フル活用できていない経費(私は遊んでしまっている経費と呼んでいます)を減らすということです。


多くの会社では、経費で一番大きな割合を占めているのは人件費。次が不動産コストです。会社によっては、広告費もかなり大きくなります。もちろん、メーカーであれば原材料費や機械等の経費が人件費を上回ることもあります。 多くの経営者の方は、「うちに遊んでいる社員などいない」と反論されると思います。一方で、すべての社員がフルパワーで仕事をしていないのではないかと、不満を持たれているのも、事実ではないでしょうか。(長年、赤字の会社では、このような傾向が強くあります)
そこを、現場の視察、さまざまな財務指標などから、見極めていくのです。長くCFOをやっていれば、かなりの部分まで見えてくるようになります。


原因が明確にできたところで、それらの経費をフル活用できる方法を考え、実行していけばいいのです。 この、実行するところが、もっとも大変なところです。考えた通りには、行かない方が普通です。でも、そこでやめてしまっては、問題は解決しません。
私たちが、単純にコンサルタントではなく、社外CFOとして活動している理由のひとつが、ここにあります。より深く、時間をかけてでも、問題を解決していくこと、経営者と一緒に操縦席に座って取り組んでいくことが、社外CFOのもっとも重要な役割でもあります


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