社外CFOの活用事例(10)修羅場を乗り切る

10. 倒産するかもしれない!

パニックを落ち着かせるために

本当に、自分の会社が倒産するかもしれないと思われて、この項目を読まれている会社の方に、「落ち着いてください」「パニックにならないでください」と言っても、難しいと思います。
その代わりに社外CFOである私から、この質問をします。

  1. いま持っているお金と預金を、紙に書き出してください。
  2. 1か月以内に入ってくる金額を、紙に書き出してください。
  3. これから支払わなければならない相手と金額を、紙に書き出してください。
  4. 最後に、3. に書いた相手のうちで、少し待ってくれそうな相手に、丸で囲ってみてください。

これらを見て、まだ1か月以上は大丈夫だと思われる方は、この先をお読みください。

もう、1か月も持たない。どうしようもない、考える気力すらわかない、という方は、いつでもお電話ください。メールでも構いません。


最初から報酬をお願いすることはありません。「少し楽になった」と言っていただければ、それだけで十分です。

誰でも1度は通る道

経営者の方でも、実際に倒産を経験した方は、少数です。

しかし、倒産しそうになった、という経験をしていない方も、実は少数なのです。
世の中の有名企業や、その経営者の方であっても、ほとんどは、同じです。

 

私自身、社外CFOという仕事をしていますから、倒産の危機を感じることは、何度もありました。

でも、実際に倒産してしまったことは、ありません。(そのための社外CFOですから)

 

また、同じ状況であっても、会社の大きさによって、生命力が変わります。

通常は、会社が小さくなるほど、危機的な状況でも、復活できるチャンスがあります。

 

ですから、倒産の危機は、誰もが通る道ということと、多くの場合は、諦める必要はないということです。

それを頭に置いて、ぜひ、これ以降をご覧ください。

状況によって対応が変わる

倒産の危機を感じているならば、その状況を見極めることが必要です。

現在の状況を、大きく4つに分けて考えます。

 

倒産危機のパターン

 

1. 心配するほどではない

この段階で、倒産の心配までされる経営者の方は、もっとも健全な危機感を持っていると言えます。
以下の2(1)〜(3)の、症状が軽い会社が、これにあたります。

 

2-(1) 黒字倒産型

売上が拡大し、売掛金や在庫が増えていくと、黒字のはずなのに資金がない、という状態に陥ります。
この状態で、予想外の悪いことが起きると、またたく間に倒産してしまうことがあります。
リーマンショックや震災時には、こういう会社が多くありました。余裕があるときに、防止策をとっておくべきです。

 

2-(2) 大きな失敗で危機を迎えた場合

大きな買収や、出店で失敗した、という場合がこれにあたります。
本業が黒字であれば、必ず立て直せますが、その失敗に引きずられて、本業も悪化する場合があります。
また、多くの場合は、当面の資金繰りで苦労することになります。
このようなときは、銀行などに、十分に状況を伝えて、支援を受けることが、とても大切です。

 

2-(3) 慢性的な赤字による倒産危機

1年(12か月)以上にわたり、実質赤字が続いている場合は、慢性的な赤字と考えるべきです。
気をつけなければならないのは、赤字の状態でも、会社は何年間か、続いていくということです。
そして、気が付いたら、大きな借金が復活の足かせになるのです。ですから、この状態にある会社は、いますぐに動くべきです。
この場合、資金がどこまで続くか見極め、赤字原因を分析し、対策を考える。そして、安易なコスト削減では、対応できない場合もあることを念頭に、経営資源をフル活用する方法を考える。
「7. 赤字を出してしまった!」をご参考に、どうやって黒字化していく方法をご検討ください。

 

3. 本当に復活は難しい

冒頭の質問で、資金が3か月も持たない。支払延期をお願いできる相手もほとんどいない、というだけでは、これに該当するとは、言い切れません。
経営者と社長が、この危機を乗り越えて、これからもやっていきたい、と思っているのであれば、復活できるチャンスは大いにあります。
また、自力再建の可能性がゼロでも、スポンサーを探すなど、方法はあります。最後まであきらめてはいけない、というのが原則です。誰もが通る道ですから。

10. 倒産するかもしれない!関連ページ

1. 会社の成長に管理が追いつかない
業績が伸び続けている会社は、その分だけ管理が大変です。 どのように対応すればいいのでしょうか。
2. 事業を広げて、どこが儲かっているか分かりづらい
成長を目指して、事業を広げ続けると、必ず「どこが、いくら稼いでいるのかわからない」という問題に直面します。どのように解決すればいいのでしょうか。
3. ネットビジネスから、リアル投資に広げたい
ベンチャー企業で、ネットを活用していない会社は、ほとんどありません。 しかし、さらに業績拡大するために、リアル投資の必要性を感じることの多いのではないでしょうか。 そのときの財務リスクをコントロールのが、CFOの役割です。
4. 月次決算を早めたい
月次決算は、企業を経営するうえで非常に重要なものです。 しかし、未上場企業にとって、それは意外に難しいものです。 どのように対応していけばいいのでしょうか。
5. 上場を視野に、できることをやっていきたい
ベンチャー企業の経営者にとって、株式公開はひとつの目標です。 では、実際に上場するというのは、どういうことなのでしょうか。
6. 受注するときの採算ラインが、はっきりさせたい
ひとつでも多くの仕事をとっていきたい。 でも、値段の厳しいものは、断らなくてはならない。 その線引きは、どのようにすればいいのでしょうか。
7. 赤字を出してしまった!
会社をやっていて、業績の低迷期はつきものです。 そのときに、どのような問題が起こるのでしょうか。 また、どのようにして乗り切ればいいのでしょうか。
8. 黒字のはずなのに資金がない
税理士から出てくる試算表では、黒字が出ていて、税金を払わなければならないという。 でも、手元には資金がない。どの社長も経験する問題です。原因は、どこにあったのでしょうか。
9. 業績が横ばいになってきた。どうやってテコ入れしよう・・・
業績の低迷期は、どの経営者も経験する問題です。 その原因は何でしょうか?もしも、危機感があるのだとすると、そこは社外CFOの出番かもしれません。
11. 経理スタッフを増やしても、効果が出ない
経理・財務の必要性を感じれば、経理スタッフを増やすのは、当然の流れです。 しかし、一般社員だけ増やしていって、会社のレベルを上げられるのでしょうか? 本当に必要なのは、経理・財務をまとめて、引っ張っていく人を育てることです。

ホーム RSS購読 サイトマップ
社外CFO活用例 サービスメニュー 料金とQ&A 事務所紹介 お問合せ